満願
こんにちは

今週もミステリの紹介といきたいと思います。
「満願」/米澤穂信

第27回山本周五郎賞受賞!に加え、2015年版「このミステリーがすごい! 」第1位、2014「週刊文春ミステリーベスト10」 第1位、2015年版「ミステリーが読みたい! 」第1位の3冠に輝いた作品です。
本屋で目にした方も多いのではないでしょうか?
すごく緻密に練られた上質なミステリ短編集でして、驚異の3冠もむべなるかな、といったところ。
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ある若手警察官が殉職した。その真相にせまる「夜警」。
宿の脱衣所で発見された遺書。3人のうち、自殺志願者は誰かをつきとめようとする「死人宿」。
美しく聡明な妻とだらしない夫、そして双子の姉妹。双子の離婚の親権争いの決着の行く末が思わぬ方向にいく「柘榴」。
ある商社マンはバングラデシュで天然ガス田開発を勧めるがなかなかうまくいかないことが発生する。彼のとった行動とその末路を描く「万灯」。
三文ライターが「死亡事故が多発する場所」の都市伝説を取材するために片田舎へ向かい、その真相を確かめる「関守」。
殺人事件を起こした恩人の女性の弁護を担当する主人公。彼女の殺人の本当の動機が徐々に見えてくる表題作「満願」。
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どの作品もとても面白いです

ジャンルがばらばらになっているんですけど全体の雰囲気に統一感があって、「満願」というひとつの作品として成立しています。
文章もすっきりとまとまっていて無駄がないので読みやすい

全体的に暗いといえば暗いのですが、読後の「いいミステリを読んだなー」という充実感がすごいのでおすすめです。
3冠受賞作、未読のかたはぜひどうぞ

それでは今日はこのへんで。
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