夏・第2弾
こんにちは!

前々回のブログで「夏」をキーワードに、京極夏彦の『姑獲鳥の夏』を紹介しましたが、「夏」のミステリ第2弾



「向日葵の咲かない夏」/道尾秀介
第6回本格ミステリ大賞の候補作にもなった作品ですね。書店で見かけた方も多いのではないでしょうか

道尾秀介といえば「月と蟹」で直木賞を受賞されていたり、他にも「シャドウ」、「背の眼」などが有名ですが、この「向日葵の咲かない夏」も著者の代表作と言っていい作品だと思います。
ではさっそくあらすじを。
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この物語の主人公はミチオ(=僕)。両親、そして妹のミカと暮らす小学4年生である。
夏休みを迎える終業式の日、ミチオは先生に頼まれて欠席した級友であるS君の家を訪ねる。
ミチオがそこで見たものはなんと、首を吊って死んでいるS君だった!
ところが先生を呼び、警察と一緒にS君の家に戻ってきたとき、S君の死体は消えていた――
一週間後、ミチオの前に一匹の蜘蛛が現れ、その蜘蛛はS君の”生まれ変わり”だと話し、さらにはこう続ける。
「自殺なんてするもんか。僕は殺されたんだ」
S君の死、そして死体消失に加え、ミチオの住んでいる町で起きている残忍な動物殺しの事件が絡み合い、多くの謎が生まれ、”生まれ変わり”が平然と受け入れられている、なんとも異様な世界で物語は展開していく。
果たしてこの物語のラストに待ち受けるものとは?
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解説でも書かれているのですが、前々回紹介した「姑獲鳥の夏」と少し共通している背景を感じます。
それは物語に与える「語り手」の効果、なんですけれどあまり書くとネタバレになりそうなのでこの話題はおいといて…。
賛否両論、というよりも好き嫌いがわかれそうな作品ではあります。
物語が始終陰惨で暗く、暗澹たる気分になる…と言われていたりもしますが、ミチオを通した少し歪で不安定な世界が独特で個人的にはかなり好きです。
手がかりが後ろのほうまで伏せられていたりもするのですが伏線がしっかりと張られていて、ホラーやサイコサスペンス、幻想小説のような雰囲気を持ちながらもラストでの謎の解明によってきちんと本格ミステリとして成立しています。
気になった方はぜひ読んでみてください(^-^)/
それでは今日はこのへんで。
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