トスカ
こんにちは~

今週はオペラが舞台となるミステリ小説を紹介したいと思います(=゚ω゚)ノ

「トスカの接吻 オペラ・ミステリオーザ」/深水黎一郎
オペラ「トスカ(Tosca)」はジャコモ・プッチーニの作品です。
とても有名なので知ってる方も多いと思いますが、画家であるカヴァラドッシと、その恋人であり、歌手であるトスカの物語となっています。
あらすじは本作でしっかり紹介してくれるので「トスカ」を知らない方も大丈夫です!この機にぜひ。
この「トスカの接吻」は芸術探偵・神泉寺瞬一郎の登場するシリーズの2作目にあたるのですが、単発でも十分楽しめるので、今回はシリーズでも個人的に特に好きな作品である本作を紹介したいと思います


一作目から読みたい!という方は「エコール・ド・パリ殺人事件」から読んでください


こちらもめちゃくちゃ面白いのです!
ではさっそくあらすじ紹介

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事件は歌劇「トスカ」の上演中に起こる。
主演女優のプリマドンナが相手役のバリトン歌手にナイフを首筋に突き刺す、そのシーンでなんと偽物だったはずのナイフが本物のナイフとすり替わっていた!
しかしその状況で「ナイフのすり替え」を行うのは誰にも不可能だった…
観衆の前、「開かれた密室」となった舞台の上で行った殺人事件。
罠を仕掛けた犯人の真意とは一体?
そして続けて起こる第二の殺人では現場の鏡に口紅で「トスカの接吻」という文字が残されていて…
芸術探偵・神泉寺瞬一郎とその叔父である海埜刑事が事件を追う!そしてたどり着いた真相は――
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設定としては結構古典的な本格ミステリかな?という雰囲気ですが古典本格大好きなので大変心が躍りました…
しかし本作、この芸術探偵シリーズの特徴でもあるのですが「芸術」と「本格ミステリ」の融合が本当にうまいです。
「芸術とかよくわからない・・・」
なんて方も安心!懇切丁寧に、さらにとても面白く、わかりやすく説明してくれます。わたしも芸術分野は門外漢ですが十分「芸術」が生み出す世界を楽しめました。なかでも瞬一郎の語るオペラは大変面白くてひきこまれる。瞬一郎が語る芸術はこのシリーズの好きな特徴のひとつです。
叔父の刑事である海埜刑事が捜査して…という形ですがこの生真面目な海埜刑事と自由人な瞬一郎のやりとりも楽しいです。
軸となるトリックに新鮮味、というか新たな驚きはなかったのですが、そこにいきつくまでの過程が見ものです。
推理展開のさせ方や伏線の張り巡らせ方、そして手がかりの提示のしかたなどが真相を読んだときに影響を与えてくれます。
シリーズは
「エコール・ド・パリ殺人事件」
「トスカの接吻」
「花囱玻璃」
「ジークフリートの剣」
となっています。
トリックの驚きもろもろ含めてミステリとして一番まとまってるのは「花囱玻璃」かな…花囱玻璃は瞬一郎の手記形式で進みますがこれまた新しいタイプのミステリで面白いです。「トスカの接吻」はぞんぶんにちりばめられた古典的なモチーフが好き。
この「花囱玻璃」なんですが同著者のデビュー作である「最後のトリック」といい、読者を巻き込むのが本当にうまい…と思わずため息。ちなみに補足ですが「最後のトリック」は「犯人は読者!」とうたわれています。確かに犯人は読者です。興味がある方、ぜひ読んでみてください。さすがのメフィスト賞受賞作。
…キリがないのでいつかまた紹介したいと思います

今回は二作目「トスカの接吻」を紹介しましたがシリーズぜんぶ面白いのでおすすめです

それでは本日はこのへんで

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