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憑く


こんにちは

ついに!19日に直木賞・芥川賞の発表されましたね!
受賞作は直木賞が「蜜蜂と遠雷」(著:恩田陸)、芥川賞は「しんせかい」(著:山下澄人)となったそうです…!

候補作も力作ぞろい!という感じで…直木賞候補作はいくつか読んであるのも多かったです。受賞者の恩田陸さんは過去に5回候補作に選出されているそう。
受賞作「蜜蜂と遠雷」も読んでいたので今度感想を書こうと思いますが、とてもさわやかで心に響く素敵な小説だったのでぜひこの機に読んでみてください

意外とミステリ小説紹介は久しぶり…?なような気がしますので本日はホットな話題なものをとりあえずおいといて…ホラーとミステリの融合の力作を紹介しようと思います

厭物の如き憑くもの

「厭魅の如き憑くもの」/三津田信三

三津田信三、というと最近だと「のぞきめ」が映画化されたので知ってる方も多いかな、と思います。
作品だとこの「厭魅の如き憑くもの」から始まる<刀城言耶>シリーズが有名です。

では、あらすじ紹介。

******************************

舞台は山奥に存在する、古い因習のつたわる閉鎖的な田舎村、「神々櫛村」。
この村では”憑き物筋”の「黒の家」である谺呀治家と、「白の家」である神櫛家という2つの旧家が対立している。

そんな神々櫛村で祀られている山神様・「カカシ様」。
そして逢魔が時に現れる、「カカシ様」にそっくりだと言われている「厭魅」という存在が信じられていた…。
村ではこれらにまつわる様々な神隠し憑き物など不可思議な現象が多く発生していた。そんな中、第一の事件が起こるのだが、なんと「カカシ様」の恰好をした首吊り死体が出現したのである。
そして事態はそれだけにとどまらず、第2、第3の事件が村を襲うが、死体はどれもカカシ様の恰好をしていた――

たまたま村に取材で訪れていた怪奇幻想作家・刀城言耶はこれらの奇怪な事件に遭遇してしまうのだが、はたして彼はこの事件を解決できるのか?これらの不気味な事件の行きつく先は?

******************************

すごく怖いです。ホラー小説を読んでて思うのですが「気持ち悪い」じゃなくて純粋に「恐怖」というのを感じさせる作品はなかなか少ない。読んでいてぞっとします。ホラーなのか?ミステリなのか?その絶妙なラインがとても面白い!

なんといってもこのシリーズの魅力は作品に漂う不気味さで、謎が解けてなおつきまとう不可解さや居心地の悪さではないかなと思います。
このシリーズ、大長編の作品が多いのですが、事件が起きてる間はもちろん事件が起きる前の村の異様さだとか恐ろしさというのをその分厚いぶんだけじわじわと高まるので作風にのみこまれる感じです。かなり怖い

あとは探偵役である刀城言耶の推理シーンが特徴的かな…。
推論を重ね、いくつもの論理を展開させ、そして否定し修正をしながらじわじわと真相に近づいていく謎解きシーンというのも面白くて好きです
刀城先生と頭をこんがらがらせながら一緒に謎解きを進めていく気分…?なかには「早く結論言えよ!」と思うひともいらっしゃるでしょうが…

読み返すと伏線がいたるところにはられていてその緻密さに驚きます。とにもかくにも謎がどんどんでてくるので混乱しますが謎解きシーンでそれを整理しつつ読み進めていきましょう。(笑)

ちなみに刀城言耶シリーズの一覧がこちら。
順番、というか刊行順通りに読み進めていくならこの順ですが、そんなに気にしなくても大丈夫だと思います。
最初から長編はきつい…というひとは短編集の「密室(ひめむろ)の如き籠るもの」とかから読むのもアリでは?(★・ω・)人(・ω・★)

長編から読むならおすすめは前4作のどこかを先に読んでおくとシリーズの雰囲気がつかめるかな、と思います。
作品内の時系列で並べると結構バラバラなのでその順を考えながら読むのも楽しいかもしれないですね。

1.厭魅の如き憑くもの
2.凶鳥の如き忌むもの
3.首無の如き祟るもの
4.山魔の如き嗤うもの
5.密室の如き籠るもの(短編)
6.水魑の如き沈むもの
7.生霊の如き重るもの(短編)
8.幽女の如き怨むもの

ミステリもホラーもすき!という方にはぜひ読んでほしいシリーズです。
興味を持ったかたはぜひ読んでみてください!それでは今日はこのへんで
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